竹島家住宅のあらまし
竹島家住宅は、江戸時代の十村役宅(とむらやくたく)の典型的な様式を備えた、数少ない貴重な遺構です。江戸中期から明治期にかけての建築物が、庭園を含む屋敷地と共に良好に保存され、周囲を取り囲む塀や石垣、濠(ほり)と共に、重厚な屋敷構えを今に伝えています。
屋敷地は間口58メートル、奥行70メートルで、周囲を濠と石垣と塀で取り囲み、屋敷中央に主屋(しゅおく)を配しています。屋敷正面を東南に向け、右手に長屋門(ながやもん)、左手に御成門(おなりもん)を開けて出入り口としています。
長屋門を入ると右手には米蔵、左手には門から主屋までを内塀(うちべい)で仕切り、途中に賓客用の厠(かわや)と庭門が設置されています。主屋座敷に面する屋敷地南西隅は、多種の樹木と銘石を配した庭園となっています。
主屋の背後左手には道具蔵があり、主屋とは、幅一間の吹き抜けの渡り廊下で繋がれています。