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主屋
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長屋門より見た主屋
藩政期の主屋は、明治20年代初めの火災で焼失し、現在の主屋は、当時の竹島家12代当主・謙作が、間取り等、藩政時代の十村役宅としての様式や特徴をそのまま踏襲して、直ちに再建したものです。
主屋外観
主屋は、十村役人の役所としての公的部分、当主家族の生活の場である私的な部分、そして藩主の御成の場(来訪時の休泊場所)という三つの機能から構成され、その役割に応じて厳格に使い分けされていました。
座敷棟と役所・居室棟
建物は瓦葺・切妻造りの2棟からなり、正面右手には、一部2階建ての役所部分と居住部分からなる役所・居室棟(間口12.7メートル、奥行き21.8メートル)が、左手には、平屋建ての藩主を迎える座敷棟(間口12.1メートル、奥行き13.2メートル)が、前後にややずれる形で建っています。
(屋敷配置図参照)
式台玄関
式台の間
土間玄関
出入り口として、正面中央に賓客専用の式台玄関(しきだいげんかん)、右下手には通常玄関である土間玄関が設けられています。式台玄関を上がると、客を迎える8畳の式台の間(しきだいのま)があります。
大広間
式台の間の奥には、大広間(御用場)があります。太い梁に、ヒラモンと呼ばれる成の高い差鴨居(さしかもい)を井桁に組んだ、豪壮なワクノウチヅクリによる17畳半の空間です。
大広間に隣接して、事務室として用いられた中の間(算用場)があります。
大広間
ワクノウチヅクリ
囲炉裏の間
大広間の下手には、板の間の中央に囲炉裏を切った囲炉裏の間(溜まり場)があります。
囲炉裏上部
大広間と囲炉裏の間より奥が内向きと呼ばれ、小座敷、寝間、台所などがある私的な居住空間になります。 大広間に隣接した小座敷は、公的部分と私的な部分との接点に当たる部屋で、当主の居間兼応接間として使用されました。
上式台玄関
上式台玄関
御次の間
藩主の休泊所である座敷棟には、出入り口として藩主専用の上式台玄関(かみしきだいげんかん)が設けられ、上式台の間(かみしきだいのま)の奥には随行して来た上級家臣達の控え室になる御次の間(おつぎのま)があります。
御成座敷
上式台の間と御次の間の左手には、一軒幅でL字型の畳廊下に囲まれた御成座敷(おなりざしき)があります。
畳廊下
御成座敷
床の間と違い棚に出書院(でしょいん)が設けられた御成座敷は、総檜(ひのき)、総柾(まさき)の軸部材に幅の広い欅(けやき)の縁板や磨丸太等の銘木が使用され、壁は、様々な色砂壁や黒漆喰(しっくい)塗りで仕上げるなど、意匠的な襖(ふすま)や夏の簾戸(すど)、繰り抜き板欄間等と共に、上質の書院造となっています。
土間縁
御成座敷と畳廊下の庭側には、庭園全体が鑑賞できるよう、一軒幅の切り目縁と土間からなるL字型の土間縁(どまえん)が設けられ、美しい化粧屋根と共に開放的な空間を作り出しています。
御成座敷より
土間縁
奧小座敷
御成座敷の裏側には、外部に面して一間の土庇(どびさし)を付けた奥の小座敷と鞘の間(さやのま)があります。賓客の控室又は、茶室として使用されました。
仏間
御次の間の奥には大広間に向けて仏壇を設置した仏間があります。主屋のほぼ中心にある仏間は、当主の私的空間であると共に藩主の菩提を弔う等の公的性格も持ち合わせていました。